ところで、不動産業を対象に統計をとるとき、マクロ統計資料の基準では産業自体が第二次産業と第三次産業の両方にまたがることになる。不動産業の建築に関する部分は第二次産業、残りの部分は第三次産業に分類されるのである。今年の上半期に総生産額が4兆3100億元にのぼった中国の建築業界は、第二次産業全体のなかでも最も規模が大きい。第二位に位置する電力の生産額の10倍に近く、自動車を含む交通運輸設備製造の13倍、非鉄金属業界の100倍、石油・天然ガス採掘業の46倍、鉄道運輸業の18.6倍にあたる。言いかえれば、今日の中国でマクロ経済の生産額を最も生み出しているのは各種プロジェクトの建設なのである。これには重化学工業に対する投資と交通インフラの建設が含まれると思われるが、第三次産業に数えられるべき不動産業が第二次産業に貢献していると見なすのが事実に即しているだろう。中国経済は土木事業経済であると言っても過言ではない。
同時期の不動産投資額は2兆6600億元だった。不動産への投資には建築以外のコストもあるため、全額が建築業界に投じられることは考えられないものの、第三次産業のなかで急速に成長する不動産業が建築業界の最も重要な収入源であることは事実である。第三次産業の不動産の急成長が、中国が全面的に土木工事経済の時代へと進む推進力となっていることを、この現象は如実に示している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年7月25日