このようなやり方は資金があればできるもので、すごいことは何もないという人もいる。だがそうではない。海外進出の過程で挫折に遭遇した中国企業はみな、欧米市場に進出すること、とりわけハイエンド分野に足を踏み入れることは、資金さえあればすぐにできるものではないことを知っている。資金はあってもブランドがない企業、ブランドはあっても影響力がない企業、影響力はあってもイメージがない企業は、これまでと変わらず蚊帳の外に置かれる。今回、中国4ブランドが「トランスフォーマー3」に同時に登場したことは、国際市場での中国ブランドへの評価の高まりを示すものでもある。
こうした評価は、中国の経済規模が奇跡的な発展を遂げて世界2位に躍進したこと、中国企業が海外進出や現地市場への融合に向けて努力を重ねたこと、国際金融危機に際して中国経済が力強い動きをみせたこと、未来の中国市場の巨大な潜在力などと切り離すことはできない。
最近、聯想がIBMのパーソナルコンピューター部門を買収したり、吉利がボルボブランドを買収したりして、中国の合併買収(M&A)が世界を活気づけている。西側諸国の家庭は徐々にメードインチャイナから離れられなくなり、世界では「メードインチャイナがやって来た」との声が聞かれるようになった。西側の人々は中国製品に対し、排斥から受け入れへ、疑いから肯定へ、猜疑から納得へ、攻撃から観賞へ、そして観賞から協力へという複雑な心の動きをたどってきた。最終的に到達し、心に深く根を下ろした共通認識は、中国と手を結ぶことは未来と手を結ぶことというものだった。
だがただちにわかることは、今回の映画で特に人々の目を引きつけたのは、西側諸国のハイエンドなぜいたく品と先進的な武器だった。中国の衣服、テレビ、パーソナルコンピューターといった日用品は脇役を務めたに過ぎず、映画の中では引き続き世界的な産業の分業チェーンが重視されていることがわかる。
こうした開きには潜在力がうかがえる。中国ブランドがより大きな影響力やより高い評価を得たいならば、自分自身を鍛えなければならない。中国政府も側面から支援する必要がある。世界の主流伝達ルートを利用し、国際的に通行するやり方を通じて中国の声を伝え、中国ブランドのイメージを形作るには、まだやらなければならないことがたくさんある。
「人民網日本語版」2011年7月25日