米国債危機が始まった時、中国の7月の貿易黒字は意外にも300億㌦の高い値にあった。税関の統計によると、中国の7月の輸出は昨年同月に比べ20・4%伸びており、輸入は同22・9%伸びている。7月の貿易黒字は6月の222・7億㌦から314・8億㌦にまで膨れあがった。取材対象の数人の貿易関係者は10日、2008―09年の輸出の急激な減少のような光景が再現されることはないが、輸出伸び率は下半期に目立って鈍化することは恐らく避けられないだろうといずれも語っている。
中国国際経済交流センターの王軍・研究員は、今回の米国債格付けの引き下げおよび欧州債務危機など、外需の軟調が目立ち、下半期の輸出入の状況は上半期に及ばず、目立って反落すると見込んでいる。
同センターの張永軍研究員は、年末までに、中国の月間輸出伸び率は10%にまで反落、果てはさらに下まで反落するかもしれず、月間輸入伸び率は5%以下まで大幅に下落、果てはマイナスすらみられるかもしれないと見積もっている。
外部市場の不安定さも中国の貿易政策の調整をさらに慎重なものにするだろう。ある貿易関係筋は、黒字の削減、貿易の均衡化促進の考え方には異論がないものの、具体的な政策の道筋については省・委員会間でまだ意見の相違があることを明らかにした。