取材対象の人々は、次のように指摘している。米国債危機が始まって以降は、政策決定層は輸出の抑制に軽々しく手を出さないだろう。なぜなら外需の減少と内部の引き締め政策が重なることを憂慮しているからだ。実際、繊維、アパレル、靴製造業などを含む、多くの労働集約型製品の輸出は米国債危機が発生する前の4月頃に、既に目立った退勢が表れていた。
清華大学中美(中米)関係研究センターの周世倹研究員は、中国の対米輸出の伸び幅が今年に入ってからずっと鈍化しており、米国の税関統計によれば、1―2月の中国からの輸入の伸び率はまだ20・8%だったが、1―4月の伸び率は既に17・3%にまで落ち込んでいたと指摘する。
受注のサイクルを考えると、米国債危機の中国の輸出に対する影響は第3四半期に現れると予測される。しかし取材対象の数人はいずれも、中国の輸出がこれにより急激に減少することはないとみている。
張氏は、国際市場の今回の動揺は2008年末と明らかに異なり、「中国の輸出の伸び率は下半期小幅な増加に転じる、果ては小幅に減少する可能性すら排除できないかもしれないが、金融危機の時のような大幅な減少は再現されにくい」と語った。
周氏は、次のように予測している。中国の第4四半期の輸出は、第3四半期に比べ好転するかもしれない。この判断のよりどころは、米国が今年9月頃に3回目の経済刺激プランを出し、これにより失業率を下げ、来年の景気を好転させると見込まれることだ。オバマ大統領は来年大統領選を控えており、従来の経験から、再選をはたそうとするならば失業率を7%以内に抑えなければならない。
(新華網日本語=中国通信社) 2011年8月14日