各候補の経済政策は、主に以下の3つの方面に集中している。
1つ目は「復興増税」。日本の復興には約20兆円という巨額の資金が必要だ。これらの資金をどこから調達するのか?候補者のうち、増税措置を講じる必要があると明言したのは野田佳彦氏だけだった。その他、海江田氏は建設国債の発行を提案、前原氏はここ1-2年間の増税には慎重な見方を示し、馬渕氏も前原氏と似た観点で、将来的な増税は否定できないが現在は反対とした。鹿野氏はあいまいな態度をとった。野田氏以外は増税派のレッテルを貼られることを恐れたようで、増税慎重派が多数を占めた。
2つ目は「脱原発」への態度。野田氏、前原氏、真淵氏は、「安全を確認したうえで、検査の終わった原発の運転を 再開するべき」と主張した一方、海江田氏は「原発は今の日本には不可欠だが、将来的には依存度を下げ、再生可能エネルギーの利用を拡大するべき」と主張、鹿野氏は「今後は省エネと再生可能エネルギーの利用に力を入れるべき」との見方を示した。
福島原発事故の後、脱原発を訴える日本国民が増えたが、資源が乏しい日本の現状では、原発を手放すわけにはいかない。菅首相もかつて「脱原発」を主張したが、多数の反対を受け、最終的には「個人的意見」と言わざるを得なくなった。再生可能エネルギーの利用拡大は発展の大きな流れとなっているが、気候の影響を受けやすく、発電量にも限りがあり、供給を保障するのは難しい。各候補の主張の違いは、国民の原発への見方をある程度反映していると言えるだろう。