◆ アメリカは第1四半期のGDP、消費、不動産、労働市場の指数まで、すべて満足させるものではなかった。そしてヨーロッパではイタリアとスペインが、現在もなお市場参入権喪失の危機に面している。さらに重要なことに、去年まで各国政府はゼロ金利政策、量的緩和、財政出動による景気刺激策などの手段で資産価値と景気の回復に努めてきたが、いま現在彼らに残された手段は少ない。アメリカなど最も発達した経済圏では二番底の可能性が出てきている。
(ニューヨーク大学経済学部教授 ヌリエル・ルービニ)
◆ 世界経済は今後、まったく新しい、そしてより危険な局面に入る可能性がある。多くの先進国は財政出動を行える余地がなくなり、利下げ政策も極限までやりつくしてしまった。ヨーロッパのソブリン債の危機は特に憂慮される問題だ。EUの構造的欠陥が、有効な経済改革の実現を阻んでいる。それが原因となって世界経済に最も厳しい局面をもたらすかもしれない。
(世界銀行総裁 ロバート・ゼーリック)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年9月5日