中国国務院(政府)国有資産監督管理委員会によると、中国の大手総合金融グループ「中国中信集団(CITIC)」、中国のステンレス鋼に強みを持つ「太原鋼鉄集団」、中国大手鉄鋼メーカー「鞍山鋼鉄集団」、「宝鋼集団」、「首鋼集団」の5社はこのほど、共同出資で中国ニオブ業投資控股有限公司を設立し、ブラジルのレアメタル(希少金属)鉱山大手CBMMの株式15%を買収した。買収額は19億5千万ドル(約1502億円)。
政府筋の統計データによると、ブラジルは世界最大のニオブ埋蔵量を誇り、CBMMは同品の世界最大の生産企業で、世界シェアの8割を握っている。中国はニオブを輸入に頼っており、ニオブの安定調達先を確保したい中国にとっても、CBMM側にとっても非常に重要な戦略的価値がある今回の出資となった。
ニオブは主に自動車やパイプライン、大型橋梁、タワー建築物など用の高級鋼鉄の生産に用いられ、鋼鉄の強度や強靭性を高め、環境にも優しい製品として世界中で重宝されている。2002年から2009年にかけて、世界中で高級鋼材の需要が高まったのに伴い、ニオブの需要も毎年約10%ずつ増加している。
「人民網日本語版」2011年9月6日