日本の国際経済交流財団が行ったアンケート調査によると、日本の製造業企業は中国、ASEAN(東南アジア諸国連合)、米国を今後の主な投資先に選び、中国を最重視する企業は半数に上った。このアンケートは、企業の中期経営計画(今後3年)をもとに実施したもの。日本政府は近年、インドとの関係を重視しているが、アンケートの投資計画でインドはわずか17.8%にとどまり、中国の83.2%を大きく下回った。ここから、中国が日本の海外投資と産業移転から得るチャンスは非常に大きいことがわかる。
東日本大震災の発生後、日本企業が中国から撤退するとの懸念が強まった。ところが、日本企業は中国から撤退しなかったばかりか、対中投資を増やした。2011年1~6月の日本の対中直接投資額は実質ベースで35億ドル、前年同期比の伸び率は63%に達した。投資先を地域別で見ると、中国は香港地区と台湾地区に次いで3位、国別では1位となった。
日本の対中投資が急増した理由は以下の4点が考えられる。