中国楽凱フィルム集団公司(中国楽凱)が航天科学技術集団傘下の全額子会社になった。子会社化を祝う式典が23日、北京の釣魚台国賓館5号楼で行われた。中国が進めている中央企業再編のための重要な措置の一つ。
祝賀式典であいさつした国有資産監督管理委員会(国資委)の邵寧・副主任は「両社の統合はウィンウィン(共に勝者になること)をもたらすだろう。航天科学技術集団は事業を発展させる能力と産業を発展させる能力が強まり、楽凱もより好ましいプラットホームを持つようになる」と指摘した。
中国楽凱の張建恒社長は「我々は国資委の呼びかけに積極的に応え、航天科学技術集団との統合を進めた。多くの偶然が重なったが、統合は自然の成り行きでもあった」と説明した。
中国楽凱の前身は、1958年に設立された保定映画フィルム製造厰で、中国が第1次5カ年計画(1953~57年)期間に推進した156の重点プロジェクトの一つ。中国楽凱は、中国で初めてのカメラフィルム、白黒映画フィルム、カラー映画フィルムを開発し、国内フィルム産業の多くの空白を埋めた。カラーフィルム時代を迎え、中国楽凱はタイプ転換を加速し、多くのコア技術を開発し、カラーフィルムやカラー印画紙を自力で開発した。その結果、コダックや富士フィルムなどはフィルム価格を引き下げざるを得なくなり、中国楽凱は中国の民族ブランドとなった。
しかし、デジタル時代の到来がもたらす影響を受けたことから、中国楽凱のフィルム販売量は2003年から徐々に減少してきており、現在のフィルム販売は同社の売上全体の約1%を占めているにすぎない。中国楽凱の利益は2000年から減少しており、2004年から05年までの2年間に同社の利益は70%も減少し、タイプ転換を余儀なくされていた。
中国楽凱は、フラットパネル市場発展の前途と同社が持つコア技術を分析することを踏まえて、同社が研究を続けてきた光学薄膜事業を、タイプ転換を進めるための重点事業に指定し、画像情報と印刷材料のデジタル化を進める方針を打ち出し、3大コア技術に依拠して中国のフラットパネル用大型光学薄膜研究開発拠点を目指すことを決めた。
現在、中国楽凱は、印刷材料、画像情報材料、精細化など4大シリーズの100あまりの商品を抱えている。画像材料と印刷材料は基本的にデジタル化を実現している。デジタル印画紙は伝統的な印画紙に全面的に取って代わっており、CTPや樹脂版などのデジタル印刷材料が印刷材料販売量全体の40%を占めている。
このタイプ転換が、航天科学技術集団との統合を進めるための基礎を整えた。両社は今年1月15日に統合を進めるための戦略的協力に関する取り決めに調印し、1月27日に統合計画を国資委に提出した。これを受けて国資委は両社を訪れ調査を行った。
国資委は9月5日、中国楽凱を航天科学技術集団の全額出資子会社とすることを認める「中国航天科学技術集団公司と中国楽凱フィルム集団公司の統合に関する通知」を発表した。
航天科学技術集団は、中国楽凱を全額出資子会社にしてからも、一定期間、楽凱の基本的枠組みと発展目標を変えない。楽凱ブランドは存続させる。
「新華網日本語」より2011年9月24日