米紙「ニューヨーク・タイムズ」によると「中国人の高貯蓄率は飢餓時代に対する恐怖心が底流にある」そうだ。だが、こうした飢餓の時代の記憶が、中国人を「貯蓄好き」にさせた原因なのだろうか?
中国ほど貯蓄好きな国は他にないだろう。経済全体で見ると、中国人の貯蓄額はGDPの半分以上になっている。中国人には目標とする貯蓄額が設定されており、この目標に到達しなければ、住宅を購入することもできないし、医療費や子どもの学費も払えないかのよううだ、と評するアナリストもいるほどだ。預金金利がインフレ率に追い付かない状況にあっても、中国人は貯蓄しようとする。
2002年以降、中国の貯蓄率は上昇の一途をたどっている。現時点での中国の貯蓄率は56%であり、世界平均の25%の2倍以上となっている。今年8月度の中国都市部における消費者物価指数(CPI)は前年同月比6.2%増と、高い水準を保持している。インフレと貨幣価値の下落により、1万元を1年間預金しても数百元損することになる。そのため、預金以外の運用方法を見つけ、CPI上昇率を上回るリターンが得られる投資をしたいと多くの人が考えているが、現実にはそう容易いものではない。