だがこれは表面的なものに過ぎない。中国の経済規模からすれば、中国人の消費額は非常に少なく、GDPの35%を占めているだけである。数多くのその他のアジア諸国をかなり下回っている。これと逆に、中国の貯蓄率は1996年の36%から2009年の51%と上昇している。所得がどんどん増えている時代であるはずなのに、中国人の消費能力や将来に対する安心感がGDPの成長と比例しないのは何故だろうか?経済成長を牽引する三大要素(輸出、投資、消費)のうち消費の寄与度は下降の一途をたどるばかりだ。
「若者と高齢者は低め、中年層は高め」というのが世界標準的な貯蓄モデルであるが、中国ではこれと逆で、若者世帯および退職間際の人の貯蓄率が非常に高く、40歳前後の人らの貯蓄率は最も低くなっている。これは、中国では医療保険、老齢年金、失業保険、社会保障が完備されておらず、金融商品の種類も少ないことが主な原因だとされている。多くの人たちが将来に不安を感じている社会ではみな「貯蓄好き」にならざるを得ないようである。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年10月11日