▽コストに関する考察
シルキン氏によると、ますます多くの企業が、メードインUSAには実際により大きな経済的恩恵があることを認識するようになってきたという。
自動車関連部品のサプライヤーであるドイツのコンチネンタルAG社は6日、米国で約5億ドルを投入して工場を建設し、米国市場向けに乗用車製品とトラック用タイヤを製造して、1600人の雇用を創出すると発表した。米ABCテレビは、過去10年間に米国から外に出ていく一方だったタイヤメーカーにとって、今回の選択は重大な産業上の転換だといえる、と評した。
シルキン氏はある会社の製品が消費者から近い距離にある場所で生み出されるなら、大量の在庫を抱える必要はないと指摘し、「コスト圧力が低下するのに伴い、企業はこの点を意識し始めるようになった」と話す。
またシルキン氏によると、米国企業にとってメードインUSAは経済的な検討事項の一つであって、必ずしも愛国的な動きとはいえないという。
アリゾナ州立大学スクールオブビジネスのW.P.キャリー院長は「中国が日々成熟するのに伴って、中国での生産コストが上昇しており、中国に産業を移転(してから米国に輸出)するという流れがかげりをみせ始めている」と話す。