不動産バブルの崩壊、銀行の貸し渋り、経済低迷、ゼロ金利、政治の行き詰まり、人口減少、国内総生産(GDP)に占める債務の比率過剰。表面的には米経済は日本と同じ病を抱えており、人々は米経済が「日本式衰退」に陥るのではないかと憂慮している。米国は本当に「日本化」しているのだろうか?
米商務省のデータによると、11年1-3月期と4-6月期のGDP成長率はわずか0.4%と1.3%で、10年10-12月期の3.1%を大幅に下回り、経済の衰退が加速していることが明らかになった。政府は拡張的財政政策をを講じたものの、実際の就職率は下がる一方で、総体的な需要は依然として低迷し、貨幣乗数、貨幣流通速度の大幅低下など流動性のわなの特徴がみられる。さらに深刻なのは、財政状況が非常に危険な状況にあり、債務拡大が経済回復の足を引っ張っている。
ただ、米国の不景気は相対的に実力低下の表れで、長期的な衰退ではない。
米国の競争力はその資本創造力にあるが、米国は依然として世界のどの国にも負けない膨大な資源、科学技術、人的資のほか、世界最大の金備蓄、金融市場を有し、その経済メカニズムは適応能力、調整能力が高い。これらはいずれも債務償還能力の保障となる。
国際的な金融分業を主導とする資本の循環からみると、米国は金融資源の分配者であり、国際的な金融分業体制の主導的地位を占めている。