中国商務部の兪建華部長補佐は、「グローバル化背景下の製造と貿易――グローバル・バリューチェーン及びその影響」シンポジウムで、「世界貿易機関(WTO)と日本のアジア経済研究所による最新の研究レポートによると、伝統的な貿易統計では2008年の中国の対米貿易黒字額は2850億ドルになるが、このような統計方法は科学的ではない。一方、附加価値貿易で計算すると、中国の対米貿易黒字額はわずか1640億ドルだ」と述べた。
また兪建華氏は次のように語った。完成品の輸出額は単純に最後の組立地に組み入れられるため、組立国の輸出額は実際より高くなり、その他の国の生産への貢献は無視される。中国の税関の統計によると、中国の2010年の輸出額は1兆5779億ドル、うち加工貿易の輸出額は7403億ドルで、その比率は50%前後を維持している。外資系企業の輸出も同年の輸出の55%を占めた。これらの価値すべてが中国の生産や附加価値というわけではないが、統計では中国の輸出額に計算され、「中国に計算されるが他国が受益する」というずれを生じさせている。これは国際貿易の現状を完全に反映しておらず、一部の国の政治家が中国に貿易政策と為替政策の改革を求める口実になっている。
兪建華氏は、貿易統計を見直すべきだとしたうえで、「これは貿易不均衡の問題を科学的かつ客観的に評価し、世界の貿易環境を改善するのに役立つ」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年10月19日