データを見ると、中国の外貨準備高は3兆2000億ドルを超え、うち3分の2を投資とドル資産の購入に充てており、続くドル低迷は外貨準備の価値維持・増加を脅かしている。ところが、ドルはその他の通貨より安全で流動性があるという優位性を持つため、米国債などのドル資産を購入するのもやむをえないことだ。
中国社会科学院世界経済政治研究所国際金融室の張明副主任は、「中国が米国債を持続的に売り越すという兆しは現れていない。しかし、中国はドル建ての外国資産を大量に保有しており、ドルが下落した時、その投資構造の脆弱さが際立つ」と述べた。
専門家は、米国で景気回復力が乏しく、債務が増え続け、ドル下落リスクが高まっているため、米国債の最大債権国である中国は外貨準備の運用先の多様化を検討し、「ドルの罠」からの脱出を図るべきだとの見方を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年10月20日