米財務省が18日夜に発表した統計によると、8月末時点の中国が保有する米国債は1兆1370億ドルで、7月末の1兆1735億ドルより365億ドル減少した。8月の売り越し額365億ドルは、単月の中国による米国債売り越し額としては近年の最大規模となった。2009年6月に中国は米国債を大量に売り越し、その額は251億ドルに達している。
中央財経大学の郭田勇教授は、これはスタンダード&プアーズが8月に米国債を格下げし、市場が不安定になったことと関係があると見ている。
中国国家外貨管理局の責任者は今回の米国債売り越しは正常な動きだとしているが、売り越し額が250億ドルに達した時と同様に、記録を更新した大幅売り越しは再び市場の注目を集めた。多くのエコノミストは、これには市場で「米ドルの罠」に対する懸念が高まっているという背景があると見ている。
余永定エコノミストは、「20年以上、中国の経常収支と資本収支は黒字を維持してきたため、外貨準備の蓄積は避けられない。長期にわたって、中国はドル下落リスクが高まる中で、ドル資産を買い増さなければならない状況で、『ドルの罠』にはまりつつある」との見解を示した。