崔冬青さんは、中国科学院計算所が10年の歳月をかけて開発に成功した高機能・汎用型CPU「龍芯(Loongson)」の熱愛者であり、その宣伝・普及に尽力している人である。中国コンピュータ産業において、初のCPU国産化を成し遂げた「龍芯」の功績は大きい。
昨年、集積回路の研究開発を行なうベンチャー企業を創業した崔さんは、高い技術を備えた7~8名のスタッフを従え、中国産CPUの伝送装置の開発に勤しんでいる。さて、崔さんの会社の現況は如何なものだろうか?
「将来性は高いが、困難も大きい!」と崔さんは答えている。崔さんの会社が開発した伝送装置は現在、そのビジネスの成否を決めるとされる「パイロットスケール実験」の段階にある。「パイロットスケール実験」とは、開発した製品を量産化する前に、少量で実験を行ない、実用化の検討を行なうことである。崔さんの会社が行なう「パイロットスケール実験」では、CPUをマザーボードに装着させた後、その耐久性を保証するために、非常に多くの回数にわたって繰り返し試験を行なわなければならない。まさに国産CPUの実用化の成否が決まる段階と言えるだろう。