日本の三洋電機白物家電部門を中国のハイアールが買収する一件が、先週一定の決着を見せた。これで中国企業が初めて日本の主要製造業を傘下に収めることになった。日本の白物家電は、1980年代から中国市場で重要な地位を占めており、今回の買収は両社にとってウィン・ウィンの取引と考えられるだろう。一方、その背景には、日本の産業が今後発展していくための調整という一面があることも見逃せない。
日本のメディアが「懸念」を発しているのに比べ、記者が日本で接触した家電業界の人々はずいぶん落ち着いている。著名な経済誌『東洋経済』に在籍する自称「中国通」の編集者は、「中国企業の日本企業買収はすでにビッグニュースにはならない」と言う。今回のような買収に対し、日本人はまだ慣れていない一方、中国人は喜んでいる。「実は、中国に買収される日本企業というのは、もう日本市場でやっていけない企業だ。中国ではそのような企業のことを『外国のゴミ』と言う。しかし日本経済は少し前まで世界第二位だったから、これらの企業が持つ技術や市場ネットワークはまだまだ中国企業を上回っている。中国企業が買っているのは技術と市場、そして管理システムだ」とこの編集者は話す。
10年に1度転換する日本の産業構造