一時は静まっていた環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に関する議論が突然、日本で再びヒートアップした。TPP交渉参加をめぐっては賛否両論あり、日本社会を大いに混乱させている。賛成派は、TPP加入は日本がアジア経済太平洋経済に溶け込み、貿易自由化における遅れを取り戻すのに有利で、それによって日本経済の成長にもプラスになると主張する。一方、反対派は、TPP加入は日本の農業に壊滅的な打撃を与え、国内の医療や雇用にも悪影響を及ぼすと見ている。
環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)は、シンガポール、ブルネイ、ニュージーランド、チリの4カ国が2006年11月に自由貿易協定(FTA)を調印したのが始まりだ。2010年3月、米国、オーストラリア、ベトナム、ペルーなどがTPP交渉への参加を発表。2010年11月、菅直人氏は横浜で行われたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、日本がTPP関係国と話し合いを始めることを表明したが、その後、この問題は棚上げされた。
今年10月、野田内閣はTPP交渉参加をめぐる話し合いを開始した。日本の多くのメディアはTPP参加に肯定的な態度を示し、世論は早くから賛成に傾いているとも言えるが、反対派の声は静まっていない。農業協同組合は10月25日、TPP参加を反対する請願書を国会に提出した。与野党議員356人が請願書に署名した。