日本の野田佳彦首相は31日、日本を訪問中のグエン・タン・ズン・ベトナム首相と会談し、昨年合意したベトナムでの原子力発電所建設について、計画通り実施することを確認し、声明を発表した。声明によれば、ベトナムは日本から原子力発電建設の支援を受け、日本は世界最高水準の安全性をもつ技術の提供を保証するとしている。
日越首脳はベトナムで採掘されるレアアース(希土類)の共同開発でも協力することを確認。中国がレアアースの輸出を制限する中、日本はレアアース不足解決の糸口をベトナムに求めた。そのほか、日本はベトナムからの看護師と介護福祉士の受け入れでも原則合意し、両国首脳は31日、これらを盛り込んだ「日越共同声明」に署名した。
日本メディアは、日本政府関係者の話を引用し、「ベトナムのズン首相は日本からの原発輸入を『日越戦略的パートナーシップの象徴』にする意向だ」と報じた。昨年10月、両国政府は昨年10月、ベトナムの原子力発電所2基の建設を日本側が受注することで合意。野田首相は就任後、福島第1原発事故を受けても、国際的信用を維持するため「世界最高水準の安全性」を確保して原発輸出を進めると表明していた。