欧州危機問題解決の兆しが見え、市場のリスクも改善され始めた。そのような状況の下、資金は再び米ドル以外の通貨へと流れている。
この影響を受け、人民元対米ドルレートの基準値は2日連続で2005年7月の元切り上げ以降の過去最高を更新。今年1月から10月までに人民元対米ドルレートは累計で4.5%上昇した。
中国外貨取引センターの最新データによると、10月31日の人民元対米ドルレートは1ドル=6.3233元と前日より57ポイント上昇、先週金曜日に6.33元を突破して以降、人民元対米ドルレートは2日連続で高値を更新している。
先週、EU首脳会議で一連の解決法案が出されたあと、米ドルは暴落。それをうけ、人民元対米ドルレートは先週金曜日、187ポイント上昇し、1ドル=6.320と2005年7月の元切り上げ以降の最高値を更新した。
「ここ最近のレートの動きをみると、人民元レートを変動させる要因に変化が生じてきている。」興業銀行の蒋舒チーフアナリストによると、今年1月から10月までに人民元米ドルレートが4.52%上昇したことは、市場の予想通りだったという。蒋舒氏は、来年の動向について、大口商品価格の下落やインフレ圧力の弱まり、アメリカ大統領選挙の実施などが重なることから、経済動向よりも中米間の駆け引きが人民元変動の要因になるとの見方を示した。2012年の上昇幅は今年よりも小さく、2%前後になるという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年11月1日