日本の9月の工業生産額は予想を上回る減少幅となり、円高の輸出企業へのダメージが際立った。多くのアナリストは、欧州債務危機が改善に向かえば、円をリスク回避通貨と見なす市場の動きは弱まる可能性があると見ている。また消息筋によると、日本政府は欧州金融安定ファシリティ(EFSF)を通して欧州を支援し、円高にかかる圧力を軽減する方針であることがわかった。
ソシエテ・ジェネラル東京支店の大久保琢史チーフエコノミストは10月28日、「欧州を支援することは日本の利益にもかなう。欧州は非常に困難な状態にある。日本が資金援助を行えば、ユーロは上昇し、日本円は下がるだろう」との見方を示した。
富士通総合研究所のマルティン・シュルツ上席エコノミストは、欧州支援を通して円高を抑えるというやり方は、「異国情緒」あふれる選択肢だと語った。