カナダ・ロイヤル銀行のリスク管理コンサルティングの顧問、陳思進氏はその著作『金融は誰を豊かにするのか』で、中国の不動産バブルが起きているのは、かなりの程度ウォール街の財閥たちが煽ったのが要因だと指摘する。彼らは利用できる限りのツールを使って中国の不動産市場をたたえたりけなしたりしてきた。
その目的はただ一つ、利益のためである。けなすときは彼らが資金投入するときであり、たたえるときは、彼らが十分儲けて撤収する準備が整ったときである。バブルがはじける寸前まで煽ることで、彼らのもうけが最大化されるわけだ。「富のピラミッドの頂点にいるウォール街の財閥たちは、略奪し、回収する。バブルがはじけるのを待っているのだ。馬鹿を見るのは中国の企業であり、最後に泣くのは普通の中国の市民だ」と陳思進氏は言う。
中国の外貨投資研究院の譚雅玲院長は、中国の不動産は投資と投機が盛んになる一方であり、市民の住居問題の解決からは程遠い状況だと認識している。「国内の間違った取り組みが、欧米の投機家を引き寄せることになってしまった。連鎖反応を起こす可能性がある外資の投げ売りに対し、我々は具体的に対抗できる法律を制定して対応すべきだ」。
外資の全面撤退はあり得ない