「投資の過熱を抑え、インフレを軽減しようと、中国はこれまで通貨の引き締め政策を講じてきたが、効果はさほど見られず、人民元はあたかも難局に陥ったかのようだ」。中国経済時報の取材に、国務院発展研究センター金融研究所総合研究室の陳道富主任はこう語った。
――中国は依然として非常に深刻なインフレを抱えており、今の通貨政策、例えば引き締めや金利引き上げなどのインフレ抑制効果はいずれもあまり顕著でない。通貨政策が難局に陥ったとみる声があるが、この問題についてどう考えるか?
陳主任:物価とCPI(消費者物価指数)の上昇は一つの結果に過ぎない。通貨的な要素もあれば、世界経済の不景気など他の要素もある。どの政策でも、その効果は物価への影響を考慮してはじめて意味がある。中国は引き締め政策をとり、欧米では量的緩和政策をとっているが、中国は08年の金融危機以降多くの通貨を投入、その影響が拡散して物価にも影響を与える。
今は引き締めを行っているが、他の要素、例えば賃上げや構造改革の過程における資源価格の調整、国際価格の導入などの問題も物価に影響を与える。通貨はそのうちの必要な段階ではあるが、唯一の段階ではない。とはいえ、通貨的要素による支えがなければ、インフレ調整はかなり厳しい。また、経済構造の調整という角度からみると、物価がある程度上昇するのは必然的なこと。