現在の状況をみると、ほんのわずかの有識者しか「大停滞」時代の到来を認識していない。政治・経済界の重要人物も我々が現在置かれている状況を明確に把握できていない。この状況をこのまま放置したとしても、経済が死滅することはないだろう。しかし、生活が悪化するのは目に見えている。雇用の悪化など様々な原因が社会の混乱を引き起こし、経済問題が社会問題と政治問題に転嫁される。そして、生産関係の大変革が国家あるいは世界で発生し、最終的に世界経済が壊滅状態になる。
中国含む新興経済体は「大停滞」から世界を救う貴重な経済の原動力だといえる。しかし、その原動力としての力を発揮するためには、各国首脳の寛容な考え方と知恵が必要となる。各国首脳はそのことを十分に理解した上で、中国を含む新興経済体の発展を奨励しなければならない。それこそが世界経済の回復をサポートし、世界経済の「大停滞」に対抗する手段なのである。フランスのラファラン前首相も「中国は世界経済に残された唯一のエンジンである。このエンジンが壊れてしまったら、世界経済は二度と飛び立てなくなってしまうだろう」と話している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年11月9日