世界経済は「大不況(Great Recession)」から「大停滞(Great Stagnation)」に移行中である。それは一部の主要国が証明している。
アメリカが1980年に直面した衰退のピークから第15四半期目のGDPの伸びは8.3%。一方、今回の衰退のピークから第15四半期目にあたる2011年第3四半期のGDP伸び率は2.5%だった。これらの差は、アメリカがすでに「大停滞」の状態に突入していることを表している(1980年の8.3%という数字は戦後最も悪い)。アメリカ政府の報道官も、2.5%では雇用の回復を支えられないと懸念を示している。
ヨーロッパと日本の状況はさらに深刻である。欧州中央銀行は第4四半期の調査で、ユーロ圏の2011年経済成長率を1.5%、2012年を1.7%と予測した。ギリシャ問題のような悲劇が続けば、この予測はさらに引き下げられるに違いない。日本経済は3四半期連続でマイナス成長となっている。