10月29日、JR新橋駅付近で数百人規模のデモを見かけた。横断幕には「TPPは亡国につながる。絶対に許さない」などと書かれていた。規模は小さいものの、このデモは日本国民が普遍的に感じている不安を反映している。もし日本がTPPに加盟すれば、日本経済と社会が大打撃を受けるのではないかと人々は心配しているのだ。
各方面の情報によれば、野田内閣はすでに、来年3-4月からTPP交渉に加わる考えだという。
米国政府は2012年秋まで協議を続けることを決定している。ちなみに、米国の大統領選挙は2012年11月だ。つまりこれはオバマ大統領に捧げる「プレゼント」であり、TPPは大統領選の前に合意に達する必要がある。
FTAと異なるのは、TPPの目標は輸出入関税がゼロである点だ。また、自由化される分野が一般的な製品の輸出だけでなく、サービス業、労働力の移動にまで広がるため、一旦TPPに加盟すれば参加国の経済・政治に深刻な影響が及ぶことになる。
もちろん、日本国民もTPP加盟に向けた準備ができていない。TPPに加盟するかどうか、日本国内でも意見が大きく対立している。現状では、「日本経済団体連合会(経団連)」は支持を表明していおり、米倉弘昌会長も「TPPに参加しないと日本はもっと孤立する。日本は世界の孤児になる」と語ったが、中小企業はこれに激しく反対している。
日本の欧米派の学者の一部は「日本経済新聞」を拠点にTPP加盟を力強く支持している。これらの学者の多くは新自由主義者だ。一方民族派の学者は反対を示す。TPP問題を巡り、学術界では新たな論争が始まっている。