欧米からの注文減に加え、広州では来年さらに最低賃金基準が引き上げられる可能性が高い。香港工業総会は、年末までに珠江デルタの香港系企業の3割(約1万8000社)が倒産や経営縮小の危機に直面すると予測している。同会の劉展コウ(コウはさんずい+顥)副会長は、「私が年初に30%の香港系企業が経営危機に直面すると予測した際には、悲観的すぎるという人もいたが、今振り返ってみると、私の言ったことは全くおおげさではなかった。なぜなら、今年の危機は2008年を上回ったからだ。」と述べた。
欧米の不況による輸出の減少や土地、労働力のコスト上昇などの影響をうけ、珠江デルタにある6万社の香港系企業はこれまでにない苦境に立たされている。そのなかでも、労働集約型の企業や、資金力の弱い企業、経営モデルの転換が遅れた企業は倒産するおそれがある。
国外市場について、劉展コウ副会長は、「ヨーロッパ、アメリカは主要な輸出市場であり、両者への輸出額を合わせると全体の60%から70%以上となる。この2つの市場に問題が発生すれば、輸出全体が打撃をうける」と述べた。ヨーロッパは今後も債務危機が継続する可能性が高く、アメリカも多額の負債を背負い、失業率が高止まりしている。劉展コウ副会長は、欧米市場の今後について、「よくなる可能性は低い」とした。