いま中国鉄鋼業は構造調整と体制転換による刷新の好機を迎える一方で、資源価格の高騰や需要増の鈍化、環境問題対策などの問題にも直面している。中国鉄鋼業業界はこれからどの方向に向かうのだろうか。
▽品質と収益を上げ、鉄鋼業を「大規模」から「強力」なものに変える
工業情報化部は7日『鉄鋼業十二・五発展計画』を発表し、製品の構造調整や産業地域格差の是正、資源保障など「十二・五」期間の目標を表明した。
「計画」では、国内鉄鋼製品の質の改善が急務であることが示された。国内鉄鋼製品の質は全体的にいまだ低い水準にとどまっており、世界先進水準に達しているものは3割ほどにすぎないという。一方で、今年に入って中国鉄鋼業界は順調な成長を続けており、1月から9月の1日あたりの粗鋼産量が192.58万トンとなっている。
しかしそれに反し、業界内の利潤はそれほど上がっていない。統計によると、今年1月から9月の大手鉄鋼企業の販売利益率は2.99%にとどまり、他の工業分野の平均を大きく下回っている。
「十二・五」期間に、鉄鋼関連企業は製品品質の改善を第一に考え、品質のグレードアップや製品構造調整を中心に据えるべきであると専門家は述べる。鉄鋼業そのものを強化すると同時にその産業リンケージの上流と下流を積極的に拡大させ、多元的な産業発展モデルを構築せねばならないとの言である。