TPP、米国の意図と中国の思惑

TPP、米国の意図と中国の思惑。

タグ: 米国TPP

発信時間: 2011-11-14 17:20:59 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

しかし、米国がTPP参加を強く求めるのは、世界第2、3の経済大国である、中国と日本だ。先進国が制定した貿易ルールを順守させ続け、その発展を抑制すると同時に、自国の利益を守ろうとしているのだ。

データによると、TPP参加国が増加すれば、2015年の米国の東アジア諸国からの輸出高は、2009年の約2倍となる見通しだ。

復旦大学経済学院の孫立堅副院長と、当代世界研究センターの楊鴻璽氏は、米国が1年余りに渡り推進してきたTPPはWTO規則のアップグレード版に過ぎず、その戦略的意義は就業機会の創出という目的を上回り、米国などの先進国がアジア太平洋市場に進出する上で有利な規則を作ろうとしている、と指摘した。

孫副院長は、「米国は今回の会議で中国、日本、韓国等にTPP交渉参加を呼びかけた。その戦略的意図は明らかである。米国人は、アジアの消費市場に限りがあり、米国の就業問題に対する貢献度が低いことを知っている。米国の最終目的は、貿易によりアジアに回帰する戦略的意図の達成である」と説明した。

韓国はなぜTPP参加に消極的なのか。韓国は米国と自由貿易協定を結んでおり、TPP参加は韓国にとって不利なのだ。インドは参加の意志なしとしているが、それも米国のルール策定に対する不満を示してのことだ。孫副院長は、「日本は米国と安全保障条約を結んでおり、TPP枠組みへの参加は国内の農業・医療機器にとって有害でさえあり、経済的利益は限られている。しかし政治的・戦略的意義から見ると、米国との提携は中国の台頭を抑制することができる。ゆえに日本国内では、農家と政府のTPP参加に関する態度に、大きな差が生じている。」と指摘した。

ある分析によると、米国の真の意図はTPPを基礎として、数年後にアジア太平洋地域の発展途上国に未完全な金融市場の開放を強く迫り、かつ知的財産権の保護を理由に賠償金を迫ることとしている。

世界的に有名な経済学者、日本大学の李克教授は、「TPPは純粋なFTI自由貿易区という概念ではない。TPPには参加国間の市場金融管理に対する競争的政策(経済立法、経済透明度、反腐敗、金融改革、製品基準の一致化など一連の要求と規定)が含まれている。これらは米国の輸出にとっても、アジア太平洋地域の参加国への影響力・抑制力にとっても、大きな促進作用をもたらすだろう」と指摘した。

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