中国の張業遂駐米大使は18日、ニューヨークで開かれた米国中国総商会(CGCC)の年次晩餐会に出席し、中米貿易の不均衡は人民元相場が原因ではなく、人民元切り上げは米国の失業率改善に寄与しないと指摘した。張大使の発言の要旨は次の通り。
中米貿易の不均衡は両国の貿易・投資の構造的相違、消費・貯蓄モデルの相違、国際産業分業・移転など様々な要素が総合的に作用した結果であり、人民元相場に罪を着せることはできない。
2005年7月以降、人民元は対ドルで累計約30%上昇したが、この間に米国の失業率は5.1%から9.1%に上昇した。人民元切り上げが米国の失業率改善に寄与しないことは、このことが十分に証明している。
現在、中国の国際貿易は全体として均衡へ向かっている。黒字は年月を追うごとに減少し、国際収支は合理的な範囲内にある。人民元相場問題について、中国は引き続き主体性、漸進性、制御可能性の原則に基づき、為替制度改革を着実推し進め、人民元相場の弾力性を高めていく。
法律制定は為替相場問題解決の正しいルートではない。保護主義的措置は中米両国を「貿易戦争」の瀬戸際へ追いやり、すでに弱った世界経済の成長と脆弱な国際金融環境を脅かすだけだ。
中米は「利益の共同体」であり、中米関係は「ゼロサムゲーム」ではない。双方は冷戦思考を捨て去り、衝突や対立を回避し、経済・貿易問題の解決において対話・協議制度をより活用すべきだ。これは双方の利益に合致する。
「人民網日本語版」2011年11月20日