政府債務残高がずば抜けて高い日本。しかし驚くべきことに、欧州のような債務危機に陥ることはない。その要因を、いくつの観点から検討してみた。
経済のファンダメンタルズが良好である
客観的に見れば、米国や欧州のそれに比べて、日本経済のファンダメンタルズははるかに良好である。2010年にはすでに景気は復調しており、GDP成長率は3.9%だった。これは同時期の米国やEUより高い。失業率でも、日本は2011年8月が4.3%で、9月には3.9%にまで下がっている。一方米国の失業率は9%という高い数値で推移、EUの債務諸国にいたっては10~20%前後となっている。
このような、相対的に健全な日本経済のファンダメンタルズが、日本国債に対して高い評価をもたらしている。これが、市場の信頼性を落とすこともなく、国債利回りの大きな変動もない要因の一つとなっている。