新たに制定された国家扶貧(低所得者向け助成制度)標準について国務院扶貧開発領導小組弁公室の範小建主任を取材した。範主任によると、新標準の適用対象となる低所得者は2011年末で約1億2,800万人と予測している。この数は、中国の農村戸籍人口の約13.4%に相当する。
偶然だが、先だって公開された「都市に暮らしていながら都市戸籍を持たず市民権を享受できない人口」も同じく1億2,800万人という数値であった。この規模の大きさは、中国の「半都市化(農村人口が都市人口化する過程における不完全な状態)」の問題を示している。当然ながら、この2つの1億2,800万人は偶然の一致に過ぎない。
だが、中国の実態を示す側面を構成するものであるのならば、決して軽視できない偶然だと言えるだろう。今の中国は高成長を続けるGDP、潤う財政、ときらびやかな側面だけに目を奪われがちであるが、都市化の実態や農村部の貧困の実態についても、注視しなければならない。