中国財政部は21日、1-11月の国営企業に関するデータを発表した。それによると、1-11月、国営企業の累計実現利益は前年同期比13.7%増の2兆415億6000万元だった。11月の利益は10月より5.8%減少、国営企業の利益は5か月連続で前月比で減少した。
2012年は厳しく
交通銀行金融研究センターの唐建偉チーフアナリストは、5か月連続で下落したことについて、「経済状況と政策による影響が大きい」との見方を示した。国際情勢をみると、欧州債務危機が世界経済に影響を及ぼし、外部環境の悪化が輸出企業を中心に、中国の企業に打撃を与えた。また、国内経済も鈍化した。このほど閉幕した中央経済活動会議で来年もマクロ政策を継続することが決定され、外部環境も改善される見込みが低いことから、2012年の企業状況が好転する可能性は低い。また、中国はインフレ観測も依然強く、企業の経営コストは今後も増加し続ける見通しである。
財政部によると、1-11月の国営企業のコストは前年同期比23.9%増の31兆6475億3000万元、そのうち、経営コストは前年同期比24.2%増、販売コスト、管理コストはそれぞれ14.8%増、17.2%増、財務コストに至っては32.1%増だった。唐建偉氏は、上半期に融資条件が引き締められ、融資コストの増大を招いたと分析した。