米JPモルガン・チェースは、2012年の中国の実質GDP成長率を8.2%と予測。人民元は引き続き緩やかに上昇し、対米ドルの上昇幅は約4%になるとした。中国招商銀行の劉東亮チーフアナリストは、「今後半年以内に人民元が引き続き上昇する可能性がある」との見方を示したものの、為替制度改革から6年経ち、上昇圧力が弱まっているとした上で、「人民元が大幅に上昇することはありえない」と述べた。
ただ、2012年に人民元が外部からうける上昇圧力は無視できない。社会科学院金融研究所の易憲容研究員はこのほど発表した論文の中で、「アメリカ財務省は中国を為替操作国のリストには入れていないと発表したが、これについて警戒感を弱めることはできない。2012年はアメリカ大統領選挙の年であり、民主党と共和党は票を得るために、再び人民元安がアメリカの失業率増加を招いていると批難するなど『中国カード』を前面に出すに違いない」と指摘。アメリカの政治が、2012年も人民元の上昇圧力を強めるとの見方を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年1月5日