林国本
2011年の年末には、「中央農村工作会議」が開かれ、いよいよ農業の近代化に本格的に力を入れることになった。「強農恵農」というキャッチフレーズが打ち出された。近代化した、生産性のさらに高い農業の構築を目指し、農業専従者である農民により多くのメリットをもたらすことが目標としてかかげられている。中国のシステムの特色として挙国一致の行動をとるようになれば、必ずそれが実現することを何回も目にしてきたので、これはきっと結実するにちがいない。
このところ、黒竜江省、河南省、安徽省など食糧主産地の動きが詳しく伝えられているが、黒竜江省は水利施設のさらなる改善、近代的なスプリンクラー施設の建設で、今年は昨年の8年連続増産を上回る成果を勝ち取る意欲を示している。広大な農地で作業をしている大型農業機械にはGPSが据え付けられ、そのうちに国産化した北斗測位システムがつけられ、指揮センターですべての大型機械の動きをキャッチすることができるようになるということである。かつての農民もやがては科学的農業を習得した農場労働者となり、余剰人員は農産物加工工場の従業員になる時代が寸前に来ている。河南省でもほぼ同じことがくり広げられている。この2つの省や吉林省は大平原が多いので、大規模農業を展開する条件はととのっている。かつて農村改革の先頭に立った安徽省も数多くのモデル区を作って農業の近代化を模索している。
アメリカの学者レスター・ブラウンさんがかつて、「13億の中国の民を誰が養うのか」と懸念を示したことがあるが、黒竜江省の農政関係者は胸を張って「中国人はみずから養える」と語っている。