◆2012年は1桁成長
同組織は、2012年の自動車市場が1桁成長にとどまると予想している。ガソリン税の増税先送りを受け、中国自動車工業協会の統計による卸売販売台数約1980万台に基づき計算すると、2012年の成長率は約7%にとどまる。うち乗用車が1555万台、商用車が425万台となる見通し。中国国産車の国内市場末端販売台数は、前年比約12%増の1856万台となる。乗用車のうち、SUV、MPVの増加率が最も高くなると見られる。
また乗用車の輸出台数が順調に増加していることを受け、同組織は「2012年の自動車輸出台数は105万台を超え、うち乗用車が6割を占める」と予想している。
現行の政策が高級車輸入に有利であることから、乗用車の大型化が進み、低排気量の乗用車の成長が鈍化すると見られる。この状況の継続は中国企業にとって不利であり、最も困難な一年を迎えるだろう。同時に、輸入自動車市場の成長率も鈍化するが、国内自動車市場の成長率を上回る見通しだ。これらの状況を受け、同組織は「自動車メーカーの利益増加率はさらに鈍化する。また省エネ・排出削減の圧力によりコスト増を招き、値上げに踏み切るメーカーも出ると見られる」とまとめた。
将来的な需要が依然として旺盛であることから、業界内では一般的に、自動車市場には大きな潜在力が残されていると見なされている。同組織は、「国民経済と給与収入が増加中であることを受け、中国政府は社会消費品小売総額の倍増を目指しており、2015年に30兆元に達する見通しだ。流行、ステータス、各種圧力、現代生活への欲求が、乗用車市場の高度成長の原動力となる」と指摘した。