中国APEC加盟20周年に見る中日協力関係

中国APEC加盟20周年に見る中日協力関係。 2011年は中国がAPECに加盟して二十年の節目の年だった。この二十年で中国が得たものと得られなかったものについて、社会科学院日本経済学会理事の白益民氏が独占インタビューの中で見解を表明している。また同時に、アメリカが最近TPPを推し進めた背景についても分析した…

タグ: 中国APEC加盟

発信時間: 2012-01-17 16:40:13 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

▼中日両国は全面的に協力すべき

貿易以外に、経済・技術協力もAPEC(アジア太平洋経済協力会議)の重要な議題の一つである。1995年のAPEC大阪会議では貿易・投資の自由化と経済・技術協力が議論の中心だった。1996年の「マニラ行動計画」では、人的資源開発、インフラ、資本市場、科学技術、エコ、中小企業など6つの優先協力分野が示された。白益民エコノミストは、「中国は低人件費の優位性が徐々に低下している。現在、中国の最大の武器は市場の大きさである。日本は最先端の技術を有し、非常に高い生産力を誇っているが、市場が小さいという宿命からは逃れられず、海外への展開を図らざるを得なくなっている。このようにみると、中日両国は非常に大きな相補性を持っていることが分かる」と述べた。

例えば、インフラ建設。中日両国はこれまでに高速鉄道建設で協力している。現在、飛行機が移動手段の主力になってきているが、中国の飛行機はボーイングとエアバスという欧米企業が製造している。したがって、中国の高速鉄道建設は欧米航空業界に対する挑戦であり、中国の輸送手段に対する欧米諸国の影響力を弱めることのできる一種の戦略的産業であるといえる。

中国と日本は飛行機の製造に関して協力することができるはずである。例えば、ボーイング787の38%は日本で製造された部品が使われている。その多くがコア部品である。我々は日本が飛行機を製造する能力持っていると信じているが、日本には大切な市場が欠けている。一方、中国は飛行機製造技術が未発達であるものの、飛行機に対する需要は日々増大している。市場に欠ける日本と技術に欠ける中国。両国が飛行機分野で協力し合う必要性は非常に大きい。

また、資源開発においても協力する余地があると白益民氏は指摘する。例えば、天然ガスの開発やオイルシェールの採掘などだ。両国が市場と技術の面で相補すれば、両国の利益につながる。

2010年のAPEC日本会議後、「横浜ビジョン」が発表された。APECをバラバラなフォーラム組織ではなく、緊密な関係をもつ自由貿易区にしようという構想である。APECは、「我々はアジア太平洋自由貿易区を理想から現実にすることで合意した。我々は具体的な措置をとり、アジア太平洋自由貿易区を実現する」と宣言した。これについて、白益民氏は次のように述べた。「表面的にみれば、アジア太平洋地区の貿易にはあまり障害がないようにみえる。しかし、実際には、排他的優位による見えない障壁が存在する。日本は先進技術を通して、アジア太平洋地区の資源を確保し、アジア全体に勢力を広げていくに違いない。現在、中国は国力を絶えず強化し、アジアでの発言権を強めることを渇望している。しかし、現在のところ、中国は「被主導的」側から脱却する独自の能力をもっていない。そこから脱却する方法の一つは、日本との協力を強化し、海外投資や日本財団の株取得を実施し、ハイレベルでの経済・技術協力を実現することである。また、共同研究・開発、株式の交換を通して、産業の同盟を結び、中国と日本が主導する地域協力を実現させる。中国にとって本当の意味での自由貿易区はこのように形成されるのだ。」

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