欧州債務危機問題で、世界経済に不確定要素が増えている状況のもとで、旧正月明けの北京は、まだその影が射し込んで来ていない雰囲気である。もちろん、この影響は輸出面にじわりじわりと現れてきているようだが、北京市はこれを乗り越えて発展する自信に燃えているようだ。
旧市街区の再開発も着々と進んでおり、一例をあげると、私が若い頃暮らしていた地域の民家はすっかり姿を消してしまい、いまではルイ・ビトンのお店やラグジュアリーなホテルが建っている。かつての民家は跡形もなくなり、まったく新しい町が現れ、ときどき戸惑いを感じることもある。
郊外区を含めて、変化もめざましく、以前、農村地帯だったところは、ほとんど住宅団地に変貌している。
都市全体の管理も近代化し、これまで住民委員会を切り回していたおばさんたちは定年退職し、今では20代の人たちがテキパキと仕事をしている。都市の緑化も急速に進んでおり、あちこちに市民の憩いの場所としての公園ができている。
北京オリンピック以来、民度の向上もみられ、都市バスの乗客のマナーも改善され、私のようになが年、仕事で日本で暮らしたことのある人間は、日本のバスか電車に乗っているように思うときさえある。