会計監査大手プライスウォーターハウスクーパース(PwC)の発表によると、欧米諸国の不景気が懸念される一方、アジア太平洋地域が世界の小売業の理想的な投資先となっている。2011年から2015年にかけて、アジア太平洋は世界で小売業の成長がもっとも著しい地域であり、年平均成長率は6%に達し、2015年には売上高が10兆5000億米ドル(約800億円)に達し、現在の6兆6000億米ドル(約503億円)に対し、約59%増という大幅な成長を記録するという。そして、そのトップランナーは、依然として世界経済に大きく貢献している中国となる。
PwCの調査報告によると、世界経済の不穏で不安定な雲行きはアジアの発展速度にブレーキをかけるものの、アジア太平洋経済全体の健全な成長や各国・地域の中産階級の成長は、アジア太平洋地域の小売業が順調に発展し続ける重要な推進力であり、世界小売業にとって大きなビジネスチャンスとなる。通信ネットワークのインフラ設備のハイペースな改善によって、インターネットの利用者は急激に増加し、ネットの安全性も日々向上している。PwCの予測によると、今後4年以内に、アジア太平洋地域の小売業で成長率が最も高いのはネット上での商品売買であり、ネットショッピングの売上高は20%増加する。また、技術先進国である日本や中国などでは40%以上の増加が見込まれている。