林国本
毎年年初に発表される農業発展に関する文書では科学的農法の導入が鮮明な形で打ち出された。食糧生産は連続8年豊作であったが、そのなかで科学的農法の逐次導入が大きな役割を果たしたことは明らかだ。
また、文書では農民により多くの配慮を示し、農民の収入増を目指すことも明示されている。
そして、大規模農業生産と関連の深い水利施設の建設への注力も明示されている。
中国は熱帯、温帯、寒冷地帯に国土が広がっており、多種多様な農業の展開が可能であるが、その反面、水資源が相対的に不足しており、節水型農業の展開は不可欠である。さいきんは、スプリンクラー灌漑などさまざまな措置がとられているが、まだまだ節水の可能性がある。
全国にいくつかある穀倉地帯のすべてが天候不順で不作に見舞われる確率は高くないので、たとえ1、2ヵ所の穀倉地帯が不作となったとしても、備蓄分で乗り越えられるが、一毛作、二毛作の可能な地域では、その年のうちに収量をならして一応増収にもっていくことも可能であろう。