昨年は国連の要請などで、食糧難に陥っている地域に食糧援助さえ行っているので、食糧生産そのものはスムーズに行っていると見てよい。
ただし、国内の経済のグレードアップなどや、ディーゼル油、肥料など価格の高騰などで、農業生産のコストアップで考慮せざるを得ないことも確かだ。
世界各国の状況を見ても、自由貿易協定などの交渉で、ほとんどの国が自国の農業にマイナスとなるやり方に非常に気を使っていることからも、農業をいかに発展させるかは避けて通れない課題のように思える。
中国は科学的農法の導入、農業の機械化などで余剰労働力を中、小都市に移住させることも考えている。さらに親たちの世代の農民が高齢化し、その次の世代の人たちが都市に出稼ぎに行くケースも増えている。私はある団体の顧問を務めていることもあって、北京郊外区のリゾート区でのミーティングに出席したとき、そこはもともと農地であったところだったという話を耳にした。つまり、経済効率から見て農業よりも収益があるからこういう道を選んだらしい。