トヨタは昨年3月に発表した「2015年中期発展計画」の中で、中国市場の管理を強化する計画を打ち出した。自動車マーケティングに詳しい張志勇氏は、「本社と各国支部の管理をフラットにすることで、戦略決定の効率を高めることが狙い」と指摘。このような決定がなされたのは、アメリカで起きた大規模なリコール事件がきっかけである。当時、トヨタはアメリカ議会の訴えに対し、適切な対応ができなかった。トヨタはこれまで問題が発生した場合に、日本本社の決定を待たなければならなかったため、対応が遅かった。中国でも同じような事件が発生している。もし、世界でフラットな管理が行われれば、北京や上海にいるトヨタ中国の上層部が豊田章男社長に直接相談できるため、効率が大幅に向上する。張志勇氏は、このような動きは中国だけでなく、他の国にも広がっていくだろうと述べた。
また、張志勇氏は、「フラットな体制をとることで、決定の効率を高められるだけでなく、中国市場により近づくことができる。これまでのように中国側の社員から情報を聞くのではなく、中国市場を直接観察して戦略を立てることができるため、市場への柔軟性が向上する」と指摘した。