外資導入を妨げる外的要因
商務部国際貿易経済合作研究院国際市場研究部主任、白明氏は記者の取材に対し、以下の見方を示している。国際的要因に注目すると、欧州債務危機の影響によって世界の産業チェーンの多くが生産停止や減産に追い込まれている。数多くの外資にとって、中国への投資目的は加工貿易をするためにある。現在の産業チェーンの停滞により、対中国投資も滞らざるを得ない。また2005年より人民元は対ドルで30%上昇しており、同額のドルによる投資であっても、人民元に直せば減少することになる。
投資側から見れば、さらに多くの資金を必要とすることを意味する。しかし、欧米など諸国家の自己資本比率は減少を続けており、また銀行の融資資金も減少しているのが現状である。そのため、たとえ有利な投資案件であっても、資金不足によって成立しないケースがあるのだ。
白明氏は、外資導入を促進したいのであれば、政策面での更なる開放が必要だとする。とはいえこれは、短期間で実施できるものではない。
中国市場の優位勢は変わらず