かつて強国だったアメリカは自分の権力を維持したいと考え、一方新たに世界の覇者となる中国は自分の権力を行使したいと考える。そこから中米間の衝突が生まれるのだ。アメリカと他国は中国の台頭を食い止めたいと考えているが、私は彼等にはそこまでの力はないと考えている。
そのため、経済と貿易面において、アメリカが中国と敵対するような戦略を実施する事は間違いである。中国のような国が台頭してきたとき、世界はより多国間交渉で問題を解決していくべきであり、両国間だけでの問題解決にこだわることはない。覇者は規則を定める主導権を握る者であるが、多国間の体制の中では、規則を定める権力が分散され、覇者の権力は制約される。中国は絶えず超大国への道を進んでいる。今我々がすべき事は、多国間の体制の中で中国の実力が日々巨大化することに影響を与えることである。(作者:アービンド・サブラマニアン(Arvind Subramanian)、アメリカピーターソン国際経済研究所シニアフェロー)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年3月23日