中国製造業の生産活動が成長を緩めるなか、市場は中国経済がハードランディングすることを懸念している。だが、これはアメリカ経済の成長にとって有利に働く可能性がある。
3月22日に中国が公布した3月のHSBC製造業の購買担当者指数(PMI)は48.1%に下落し、この4ヶ月で最低を記録した。これを受けて株式市場や大口商品取引も活気を失くしている。同日、アメリカ株式市場は低調な動きに終始し、原油や金属などが軒並み下落に転じた。中国の経済成長の鈍りが世界規模の影響を招くことが市場の懸念材料となっている。
しかし専門家の間では、中国という世界第二の経済体の成長鈍化は、単に一過性の熱が冷めつつあることを意味するにすぎず、衰退の兆候などではないとの考えが支配的である。
さらに言えば、アメリカはこの状況から利益を得られるのである。中国経済が成長を緩めれば、上昇傾向にあったエネルギーコストを抑えることができ、他国の製造業にとってチャンスとなるからである。