▽貿易の法執行推進は米国の挑発
2009年、米国のオバマ大統領は中国製タイヤに懲罰性の関税をかけることを決定し、中国を対象とした貿易保護主義的措置に初めて調印した米国大統領となった。イケンソン主任によると、米国側はこの動きは貿易における法執行(エンフォースメント)の推進であると説明するが、こうした政策は容易に挑戦とみなされる。
イケンソン主任によると、米国が今年発足させた貿易をめぐる法律の執行部門は、中国に矛先が向いていることを明らかにする。また現在進行中の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)をめぐる交渉も、オバマ政権がアジア・太平洋に返り咲き、中国を抑制するためのツールだ。TPPの交渉は米国の国務省が提起したものであって、商務省やその他の経済管理部門が提起したものではなく、米国が交渉の中で経済的利益よりも安全保障や外交への配慮を重視するのは明らかだ。イケンソン主任が示した例によると、これまでに米国が世界貿易機関(WTO)に中国を対象として行った提訴は13件に上るが、中国の米国を対象とする提訴は6件にとどまる。米国が貿易救済措置を採用して中国製品の輸入を制限したケースは110件を超えるが、中国がこうした措置を取ったケースはわずか20件だという。