◆中央企業の債券発行拡大が香港の人民元オフショアセンター建設に追い風
統計によると、2007年7月に国家開発銀行が初めて香港で「点心債」を発行して以来2012年1月末までに、既に30件のオフショア人民元建て債券が香港で発行され、資金調達額は600億元を超えている。
中国政治協商会議の委員で、米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)傘下のアジア保険大手AIAグループの地域代表取締役・容永祺氏によると、国がよりに多くの、条件が整い他内陸部内陸部企業及び地方政府の香港での人民元建て債券発行を承認するに伴い、香港の国際金融センターとしての地位が一層強固なものになると同時に、中国債券市場も活性化するという。
米有力格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスの香港企業融資部ヴァイスプレジデント兼シニアアナリストである鐘汶権氏は、「更に多くの内陸部企業が香港で「点心債」を発行する事は、香港市場により多くの人民元投資商品を提供することにプラスとなり、人民元のグローバル化にもメリットがある。また、「点心債」は国内企業の海外直接投資にも有利である」と指摘する。
「現在、香港の『点心債』市場は2000億元規模ほどで、ここ3カ月、香港での人民元建て預金は減少しているものの、預金額が依然5000億元以上であることを考えると、今後の『点心債』市場の更なる広がりが期待できる」と鐘汶権氏はいう。
「中国証券報」より 2012年5月4日