先ごろ、中央企業(中央政府直属の国有企業)4社が再び香港での人民元建て債券発行を承認されたことに伴い、中国内陸部企業の香港でのオフショア人民元建債券「点心債(ディムサム・ボンド)」の発行規模は250億元に拡大する。中国証券報記者が得た情報による、内陸部企業の香港における人民元建て債券発行をいっそう規範化するため、中国国家発展改革委員会(発改委)は今、関連の管理規則を制定している。内陸部巨大規模の中央企業が「点心債」発行に動いたことで、香港のオフショア人民元取引センターとしての地位はより強固なものになると見られる。4日付中国証券報が伝えた。
◆内陸部企業の「点心債」発行規模が拡大し続ける
2011年8月、中国の李克強・国務院副総理は、香港で開催された「国家十二・五(2011-2015年)計画と両地域間経済・貿易・金融協力発展フォーラム」に出席した際、香港での人民元建て債券発行を実施する国内金融機関を増やし、内陸部企業の香港での人民元建て債券発行を承認し、内陸部機関投資家の香港での人民元建て債券発行の規模を拡大するとの方針を明らかにした。
内陸部企業にとって、香港での「点心債」発行の最大の魅力は、内陸部より金利が遥かに低いことである。政策の緩和と企業のニーズという2つの要因で、発改委は2011年10月、宝鋼集団の香港での上限65億元の人民元建て債券発行を承認し、宝鋼集団は初めて香港で「点心債」を発行した内陸部内陸部企業となった。宝鋼集団の「点心債」発行金利は3.5%前後だったが、当時の香港の人民元建て預金金利はゼロに近かった。
これに引き続き、2012年4月末、発改委は華能国際電力、中国大唐集団公司、中国五砿集団公司、中国広東核電集団有限公司の中央企業4社の香港での総額185億元の「点心債」発行を承認した。これまでに発改委が承認した国内企業の「点心債」発行総額は既に250億元に上っている。
国有企業制度改革・再編分野の専門家であり、上海天強管理コンサルティング会社の祝波善社長は、「点心債」の資金調達コストは更に低く、この種の債券は中央企業の直接融資ルートの拡大に積極的な意味があるとの見方を示している。