◆ホットマネーの流入が減少
外貨の買い入れに伴う自国通貨の放出は中央銀行のベースマネー供給の主要ルートの一つである。2011年第4四半期以来、中国の新規外貨買い入れ額は稀に見るマイナス成長となり、2012年に入って貿易黒字が全体的に落ち込んだ以外に、第1四半期のデータからホットマネーの流入も減少傾向にある。
仮に「新規外貨買い入れ額-貿易黒字-海外直接投資(FDI)」の残差法でホットマネーを推計した場合、1月のホットマネーは約150億米ドルの純流出、2月は約277億米ドルの純流入は、3月は30億米ドルの純流入となる。第1四半期、ホットマネーは157億米ドルの純流入となっているが、2011年四半期間に千億米ドル近くの流入があったことに比べると、今年の流入が緩やかになっている事がわかる。
2011年第4四半期から、中国の外貨買い入れ額は3カ月連続で減少している。1―3月、一時プラス成長に回復したものの、増加額は決して多くない。3月末の外貨買い入れポジションは25兆6500億元で、1246億元拡大し、2月の251億1500万元の拡大を大幅に上回ったものの、1月の1409億2200万元よりは少なかった。2012年1―3月のデータを合わせて見ると、第1四半期の外貨買い入れ額たった2906億3700万元の拡大で、前年同期の1兆1240億元に比べ、74%減少している。